紀行家・菅江真澄(1754〜1829)の紀行文によると、1803年(享和3年)に大館市十二所を訪れた際、炭俵に落ち葉を詰めて、それに火をかけて振り回す、「かまくらやくの祝い」という行事が行われていたとあります。
俵に火をつけて振り回す行事といえば、角館の「火振りかまくら」が有名ですが、秋田県内の7ヶ所くらいで行われていたとされています。
十二所の「かまくらやき」は炭俵の中に落ち葉を詰めてある事が特徴で、菅江真澄も紀行文の中で「落ち葉を詰めた俵に火をかけて、さかんにふりまわすと、雪の上に紅葉の散るように火花が舞い散って、いちだんと風情があった」と書かれてあります。
殿村研一さんを会長として、十二所(秋田県大館市)の有志が2011年から、その行事を復活すべく頑張っています。
行事の名前は親しみやすいように、十二所「かまくらやき」としました。
今後も毎年2月14日に行う予定です。
ご希望の方は、どなたでも燃えさかる俵を振り回す事が出来ます。
多くの方に来て、参加して頂きたいと思っています。
参考文献
『真澄遊覧記』(平凡社・東洋文庫) 内田武志、宮本常一 編訳